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5.アパレルCADについてPC文化が隆盛を極めている今日にあって、アパレルCADと呼ばれるコンピュータによるパターンメーキングの普及はいささか遅れているようです。システムを導入しても、縫い代つけやグレーディングなどに利用する程度では高い対価を払うに見合わないということでしょう。 アパレルCADを本来の目的であるパターンメーキングに使おうとするならば、しっかりとした理論を確立して環境を整えることが先決です。などといってはこれ以上語れなくなりますから、私が提唱するパターンメーキングを実践するという前提で、アパレルCADを考えてみたいと思います。 まず、ワンシステム数百〜千万という高額な機器が本当に必要なのかどうか。このように高額なのは、特定の市場にシステムとして開発されるからです。パソコン、ディスプレー、デジタイザー、プロッター、ソフトなどすべて特別仕様でトータルでの価格になります。ソフトだけ欲しいという世界ではなく、一般のパソコンにインストールしたとしても動きません。しかし、高いだけあって、島精機のCADなどの操作感は一般にはない豪快なものではありますが…。 パターンメーキングという作業を分析して考えると、一般的なパソコンとソフトで十分と思えます。高額なシステムの導入は経済力の許す範囲でということになるでしょう。理想としては、職場でパターンメーカーの数だけ一般的なパソコンとソフトが与えられ、それらを統括する役割として高性能なシステムを機能させることです。 一般化を目指した専用ソフトも、インターネットを検索すると見受けられます。しかし、裁縫箱のようなソフトが多く、これといえるレベルにはありません。開発をした方々が、どういうパターンメーキングを想定しているのか、従来の作図的な○○式をパソコンでやったところで意味はないし、といって、寸法を記入するだけで望みのシルエットが出現するなどという、オートマチック感覚は俄かには信じがたいのです。 机上でパターンメーキングするときに必要な道具を列挙すると、紙、鉛筆、消しゴム、定規、カッターナイフ、プッシュピン、メンディングテープ、となります。これらの道具をパソコン上で使うと思えば、必要となるソフトがシンプルにイメージされるのではないでしょうか。以下に、それぞれの道具をソフトの要件として考察してみましょう。 ●紙 ●鉛筆 ●消しゴム ●定規 ●カッターナイフ ●プッシュピン ●メンディングテープ 以上の要件には、アパレルとしての特殊性というものはまったくありません。この範囲であれば、大掛かりである必要もなければ、専用である必要もないということです。実際、私が使っているソフトはベクターワークスという建築ユースのCADです。 私が、立体裁断についての本を書こうと思い立ったとき、秋葉原で2万5千円(定価5万円)で購入したのがエーアンドエー社のパームドローというソフトでした。パターンメーキングに必要な機能はすべて備わった優れモノでしたが、残念ながら販売中止となりました。このプロ版がかつてのミニキャドで、現在ではベクターワークスという名前に変更されたという経緯があります。 ベクターワークスの操作感は、パームドローに比べて格段に上がっていました。以前、ベジェ曲線が入った図形を展開するとエラーが頻繁にありましたが、この安定感はすばらしく、どんなに切り刻んでも飛ぶことなどはありません。また、ポイントのスナップがガイド表示されるだけではなく、カチッなどと効果音が出ます。PCにもマックにも使え、PCでは特別な中間ソフトを必要としないでそのままプロッターに出力できます。DXF形式で書き出してアパレルCADとの互換性(島精機で確認)があります。 建築向きなので必要のない機能が満載ですが、すべてのツールメニューがカスタマイズできるので、作業環境をパターンメーキング用に設定することが可能です。右クリックのメニューも自由設定、ショートカットも自由自在でポインターをたびたびツールボックスに運ぶこともなく、マウスの中央ボタンでズームインアウトもでき、図形に集中できます。 このように素晴らしいソフトなのですが、価格だけは何とかしてほしいものです。本体標準価格18万6千900円。使う機能に合わせて1/3にしてほしいものです。 そうです、6万円のアパレルCAD!このくらい安価なソフトを使って、簡単にパターンメーキングできる時代が来ることを夢見ています。 |
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